彼女の素顔

INTERVIEW

Vol.4

Ai Miura

Team ReFaとともに挑む2026年
三浦愛が監督兼ドライバーとして描くKYOJO CUPの未来

Ai Miura

Team ReFaの一員として、再びKYOJO CUPのグリッドへ




2026年、三浦愛選手がKYOJO CUPのグリッドに戻ってくる。

昨年は監督としてKYOJO CUPに携わった三浦選手だが、今季はTeam ReFaの一員として、監督兼ドライバーという立場でシリーズに参戦する。華やかな発表会を経て迎える新シーズン。その胸の内には、感謝と責任、そして勝負への強い思いがある。

「今回、本当にReFaさん、MTGさんの松下 剛社長からのお声がけがなければ、私が走ること自体、実現していなかったと思うので、まずそこに感謝しています。ReFaというとても有名なブランドの看板を掲げて走らせていただくことに、正直、重みも感じていますし、プレッシャーもあります」

一方で、三浦選手にとってフォーミュラは、12歳からレースを続けてきたなかで「得意分野であり、好きなカテゴリー」でもある。KYOJO CUPがフォーミュラマシンで争われるシリーズとなった今、再びドライバーとして戦うことには大きな意味がある。

「やるからにはチャンピオンを目指して頑張りたいです。ドライバーとしてだけではなく、今回は監督兼ドライバーとして参戦させていただくので、チームメイトの白石いつも選手も成長していけるように、ふたりで高め合いながら、チーム一丸で頑張りたいです」

ドライバーとしてだけなら、この決断はできなかった

長いキャリアを持つ三浦選手が、あらためてKYOJO CUPで戦うこと。それは、自身のためだけの決断ではなかった。

「ドライバーとしてだけだと、この決断はできなかったと思います。今回参戦することで、ドライバーとしてはもちろんですけど、チームが成長する。そして来年以降につなげていけるんじゃないかと思って、参戦を決めました」

いま、女性ドライバーへの注目は確実に高まっている。KYOJO CUPにも、国内外から個性あるドライバーが集まり、シリーズの存在感は年々増している。だからこそ三浦選手は、その盛り上がりに「甘える」のではなく、自分たち自身がプロとしての意識を持つことが大切だと語る。

「女性ドライバーがいまとても注目されていて、周りで盛り上げていただいているので、そこに甘えずに、私たち自身もドライバーとしてのプロ意識を持って、もっともっといいレースができるように技術レベルも上げていきたいです」

三浦選手が考えるプロ意識とは何か。

「もちろん速く走ることもそうですし、スポンサーさんや応援してくださるファンの皆さんへの感謝の気持ちを、きちんと行動に示すこと。プロである以上、目に見える結果を求められる。それがプロの世界だと思っています。自分は自分なりに頑張っている、ではなくて、きちんとそれを形にする。数字として表す。思っているだけではなく、行動に移す、行動で見せるというところが、私の思うプロ意識です」


KYOJO CUPは「女性ドライバーが輝ける場所」




監督として、そして後進のドライバーを育てる立場として、三浦選手はKYOJO CUPをどう見ているのか。

その答えは、とてもシンプルだった。

「女性ドライバーが輝ける場所。たくさんチャンスを与えてくれる場所だと思います」

三浦選手は、現在のモータースポーツ界について「5年、10年前に比べると、女性ドライバーが生きやすい世界になった」と感じているという。もちろん、まだ十分ではない部分もある。それでも、KYOJO CUPのような場所があることで、女性ドライバーが挑戦し、学び、成長し、次のステージへ進むためのきっかけが生まれている。

ただし、三浦選手が見ているKYOJO CUPの姿は、単に「女性だけのレース」という枠にとどまらない。

「KYOJO CUPって女性のレースだけれど、関係者の中には男性もたくさんいるんですよね。女性が、というよりは、女性も男性も一緒に戦えるところを見てほしいかもしれない。男性の世界でもないし、女性だけの世界でもない。どちらも混じって、10代の若い子もいれば、私のように年齢層が高い方のドライバーもいる。エンジニアさんには60代、70代の方もいるし、お客さんの中には子どももいる。誰もが親しめるのがKYOJOであればいいなと思います」

勝ちたい気持ちは、当たり前にある




Team ReFaの一員として、三浦選手が大切にしたいこと。それは「感謝を忘れずに、その思いを伝えながら走ること」だという。

「私のレースが好きという気持ちはもちろん変わらないので、勝ちたいというところは当たり前にあります。そこはもう、当たり前すぎて口に出して言うことでもないくらい当たり前です」

勝つことへの強い思い。その一方で、三浦選手がレースに感じている楽しさは、結果だけではない。

「王道で言えば、勝ったら楽しいです。勝つためにやっているから。だけど、私は速く走るのが好きなんです。だから、速く走れた時が一番気持ちいいかもしれない」

速く走るために、チームと何度も話し合い、マシンのセットアップを考え、自分の走り方を見つめ直す。その過程そのものが、三浦選手にとってレースの大きな魅力だ。

「速く走るために、チームのみんなと試行錯誤しながら、マシンのセットアップだったり、自分の走り方だったり、いろいろなことをディスカッションしながらレースを組み立てていく。その過程がとても大好きです」


未来のドライバーたちへ。「突っ走れ」




2026年のKYOJO CUPには、前年チャンピオンの下野璃央選手をはじめ、F1アカデミーを経験したジョアンヌ・チコンテ選手、海外から参戦する若手ドライバー、そして三浦選手自身のように豊富な経験を持つドライバーが揃う。

そのなかで三浦選手は、単にひとりの強豪ドライバーとしてだけではなく、シリーズ全体を引き上げる存在としても注目される。

未来のドライバーを目指す子どもたちへ、三浦選手が贈る言葉は力強い。

「突っ走れ」

そう言ってから、少し言葉を選ぶように続けた。

「いろんなことを考えてしまうと思います。でも、自分のやりたいことを思い切り楽しんでほしい。その夢を何かのせいで諦める必要はないと思うので、自分のやりたいことを思い切りやってほしいです」

監督として、ドライバーとして、そしてKYOJO CUPを知り尽くすひとりとして。
三浦愛選手がTeam ReFaで迎える2026年は、勝利を目指すシーズンであると同時に、KYOJO CUPの新しい姿を見せる一年にもなる。

「自分らしく生きるために意識していることは、笑顔でいることと、素直でいることです」

その言葉の通り、三浦選手は笑顔と素直さを携えて、再びグリッドへ向かう。