KYOJO CUP

IPS/KYOJOを支えるキーパーソン 〜オグラクラッチ〜

IPS/KYOJOを支えるキーパーソン 〜オグラクラッチ〜

さまざまなレースカテゴリーで強化クラッチを提供しているオグラクラッチは、IPSとKYOJO CUPを初年度からずっと支えている存在でもある。そんなオグラクラッチとはいかなる会社であるか、モータースポーツを好きな方はもちろん、最近になってレースに興味を持つようになった人たちにも知ってもらいたい。語っていただくのは、同社の執行役員、技術本部自動車技術・吉田さんである。

創業80周年を迎えたクラッチの老舗メーカー


-オグラクラッチさんというのがどういう会社なのかを簡単に教えてください。
吉田:オグラクラッチは、その名の通りクラッチ屋です。クラッチが必要なところのクラッチやブレーキは、すべてうちの製品なんですけ。主に自動車関係だと、エアコンのクラッチですね。エアコンのクラッチがカチカチ音がするのを覚えがあるかどうか……エアコンのスイッチを入れると時たまカチッ、カチッ、って音が(するでしょう?)。コンプレッサーがまわったり止まったりする、そのクラッチがうちのメインの商品で、世界で3台に1台はうちの商品が付いています。

-クルマがメインというよりエアコン?
吉田:うちはクルマのクラッチというのはORCだけで、アフターのもので、20年前にORCというブランドで出したっきりで、普通のクラッチは扱っていないんです。それから電磁クラッチといって、電磁石を使ったコンプレッサーのクラッチなんかもうちの製品ですね。アメリカだとトラクター、ガーデントラクターという芝刈り機に付いているブレード、刃物、草を刈るカッターをクラッチとブレーキのコンビネーションでまわしたり止めたりしているのもうちの製品ですね。エレベーターが止まってホールドするときのブレーキ、エスカレーターのブレーキにも使われています。

-モノを動かすとか止めるっていうところに常にかかわっていらっしゃる?
吉田:動力があれば、その動力を入れたり切ったりするにはクラッチが必要だし、安全性で必要なところにはブレーキが必要なんです。だから、ロボットの関節部分にブレーキを付けるんですよ。このブレーキは普通と違って、電気が流れないときにブレーキが利いて、動かすときに電気を通じてブレーキを切るんです。どうしてそうしてるかというと、停電だとか、なにかが起きたときにアームが落ちてしまう。それを防ぐために必要なんです。

-ということは、時代の進化とともに、クラッチの世界も進化して言っているというわけですね。
吉田:そうですね。それから小さいものでいうと、コピーマシンだとか、なじみ深いのは、駅の自動改札。乗車券を入れると出てくるでしょう? ああいうところにも使われているんです。

レースと深く関わるきっかけはJTCCの関谷さん

-ありとあらゆるところにクラッチという、オグラクラッチの商品が皆さんの生活を支えているっていうことですね。そんなオグラクラッチさんがレース界に入ってくるきっかけは何だったのでしょうか?
吉田:ドライバーさんたちが「クラッチ屋さんなんだからクラッチ作ってみれば?」というような話があって、それがきっかけですね。もともとORCというブランドは、JTCCに参戦していたレースカー用のクラッチから始まったんです。そこからいまのORCになって、レースカーだけでなく市販車用のアフターパーツへと発展しました。だから、もとはレースありきだったわけです。そういう意味ではIPS含めて、関谷さんをはじめとしたレース関係者の皆さんからのお声がけがあったことが大きなターニングポイントになりました。だから関谷さんとお会いしていなかったら、このクラッチはできていなかった、やっていなかったかもしれません。

-そんな中でIPSが7年め、KYOJOも3年目になるんですけども、IPSをご覧になった時にどう映っていますか?
吉田:最初は、すごく面白いことをやるんだなと思いました。クルマをイチから作って、それを集めてレースをするなんて、すごいことを考えているなと。そういう企画が立ち上がって、サプライヤーとして一番最初に声をかけてもらったのは光栄でした。だから、これはもう一緒にやっていくしかないという気持ちが湧き上がりましたね。

キーパーソンが見つめるIPSとKYOJO


-いつもオグラクラッチさんが最初から、ずっと先頭に立って応援してきていただいているので、レース自体もこの6年でものすごく進化してきているんですけども、いろんなレースをご覧になっているなかで、IPSの魅力とは?
吉田:まずはクルマがカッコいいですよね。それと、いま我々がやっているラリーやS耐のように参加型なので、一般の人たちが乗って楽しめる。モータースポーツは見て楽しむものでもあるけれど、やはり自分で体験していけるのがいいことかなと思っています。

-そうですね、ジェントルマンドライバーの方たちもどんどん腕をあげられて、さっきも「社長がお出になるのはいかがですか?」なんて話がありましたけども。
吉田:一番最初は、買おうかっていう話もありましたね。一番最初に富士で1台だけで走らせてもらったんですよね。

-KYOJOもスタートして、3年目を迎えます。女性だけのシリーズというのでオグラクラッチさんのフルカラーで走らせていただいてますが、KYOJOの方はいかがですか?
吉田:KYOJOに限らず、どの世界もそうなんですけど、女性と男性の差がある中で、それがだんだん平等化されてきていると思うんです。女性でも才能がある人はたくさんいますし、レースでもそれを証明している。レーシングドライバーとしては魅力的だし、見ていて華があっていいですよね。

-また新しいレースの側面というか、華やかな部分ていうのが作り上げられましたもんね。でも女の子たち本当に真剣にトライしています。
吉田:女性の新しい職業も生まれるわけですから。この先ドライバーだけではなくメカニックとかも出てくるのではないかなと思います。

-本当にそうですね。女性が活躍する点火剤になるというか、モータースポーツの中にいろんな女性たちがかかわってくれるようになるといいかなと思います。最後に、オグラクラッチさんからメッセージ、未来への展望などを。
吉田:我々はクラッチを通じてレースに入ったり、逆にレースを通じてクラッチを開発したり、そういった中でモータースポーツと我々のビジネスというのはかなり近いところにあると感じています。だから、現場から上がってきたさまざまな情報をフィードバックして製品開発に活かしていきたいですね。これからも精進して、いいものを作る努力を続けていきますよ。