KYOJO CUP

KYOJO CUP第3戦レースレポート

2019年のKYOJO CUP第3戦が10月20日(日)に富士スピードウェイで行われ、6台によるトップ争いの末、#48 星七麻衣(ワコーズ EDニルズ VITA)が初優勝を飾った。今回は9台のエントリーに留まったが、予選・決勝ともに激しいバトルが繰り広げられ、KYOJO-CUP史上に残る名バトルが繰り広げられた。

<公式予選>

午前8時15分に公式予選がスタート。雨は降っていなかったものの、路面はウエットコンディションということもあり、セッション中にスピンを喫する車両が多く見られた。その中で、第2戦ウィナーの#37 翁長実希(KeePer VITA)がいち早く2分17秒台を記録しトップに躍り出る。しかし、最終ラップで渾身のアタックを見せた#36 村松日向子(KNCVita)が2分17秒629をマーク。翁長を0.139秒逆転し2戦連続でポールポジションを獲得した。翁長は2番手で、第2戦で白熱のトップ争いを繰り広げた2台がフロントローに並んだ。3番手には#49 荻原友美(ありそ鮨し&バンツォVITA)がつけた。

村松日向子(#36:KNCVita / 予選ポールポジション)
「路面はウエットでしたが雨は降っていなかったので、走れば走るほどタイヤに熱が入ってタイムが更新できると思って、最後の最後まで諦めずに攻め続けていました。実は最終ラップの2周前に路面が乾いてきたので攻められると思っていったら、1コーナー(TGRコーナー)でスピンしてしまいました。でもそこで吹っ切ることができて、最後はトップタイムを記録できて良かったです」

<第3戦決勝>

決勝レースは11時30分にスタート。朝の予選よりも路面コンディションは回復したものの、ポールポジションから奇数グリッドが並ぶホームストレートのアウト側と、偶数グリッドが並ぶイン側で濡れ具合が異なり、これがスタートでも大きく影響することとなった。

ポールポジションの村松は好スタートを決めて1コーナーをトップで通過。同じくアウト側の3番グリッドだった荻原も好ダッシュを決めて村松をかわし、2番手に続いた。荻原は序盤からペースを上げ、2周目のTGRコーナーで村松をパスしトップに浮上。村松、翁長、星七、#87 山本龍(おさきに☆どうぞVITA)、#24 藤島知子(ENEOS☆CLA☆PMU01)が続き、6台によるトップ争いが繰り広げられた。

メインストレートではスリップストリームの取り合いとなり、TGRコーナーに向けては3ワイドで飛び込んで行く場面も。2周目に2番手に下がった村松は、スリップストリームを駆使して何度か荻原に並びかけるが、荻原はTGRコーナーでのブレーキング勝負でポジションを死守。2台がトップを争う隙に、一時ポジションを下げていた翁長が3番手の座を取り戻しトップ2台に追いついてくる。6台の争いは毎周順位の入れ替わる激しい接近戦となった。

6周目のTGRコーナーで村松が再逆転に成功しトップに返り咲くと、その隙を突いた翁長も2番手に浮上。一気に3番手に後退した荻原だが、負けじと8周目のTGRコーナーで2台まとめてパスし、再度トップに躍り出る。

翁長、村松は諦めることなく荻原に食らいつき、9周目のTGRコーナーには3ワイドで突入。ここは荻原がトップを守り、2番手に翁長が続く。そして、このバトルに乗じて星七が村松をかわし、3番手に浮上した。荻原と翁長の戦いはサイドバイサイドで続き、ダンロップコーナーで翁長が荻原のインを突いて前に出ると、翁長に続くように星七がスペースに飛び込み、2番手に浮上した。

星七は勢いに乗り、最終ラップに入る直前で翁長もパス。ついにトップの座を奪い取る。星七はそのまま逃げ切り、参戦3年目にして歓喜の初優勝を飾った。2位には翁長、3位には荻原が続いた。ポールシッターで第2戦の雪辱を誓っていた村松は4位。「第3セクターでは速さを見せられていたと思いますが、展開的になかなかうまくいきませんでした。今季も残り1戦しかないので、最後は満足できるレースをしたいです」とレースを振り返った。結局トップから4位の村松までが1秒以内の差に入る接戦で、6位の山本も星七とは3.030秒差。6台のマシンがトップ争いを繰り広げた、今シーズン最も激しい展開となったレースだった。

星七麻衣(#48:ワコーズ EDニルズ VITA / 決勝優勝)
「正直、優勝したことにビックリしています。ライバルのみんなも私のことはノーマークだったと言っていましたが、その中で隙を狙って前に出られて本当に良かったです。レース序盤は前のマシンと離れてはいけないので、意地でも(前の集団に)ついていかないといけなかったし、後ろから山本選手が来ていたので、正直焦りそうでした。でも、いつも後ろのことばかり気にして失敗していたので、今回はとにかく前だけを見てレースをしていくことに集中していきました。最後にトップに立った時はとにかく必死でしたが、慌てないように深呼吸しながら各コーナーをクリアしていきました。次の最終戦も勝ちたいですね。今回勝ったことで周りから警戒されると思います。それに負けないように、次に向けてできる限りの準備をしていきたいです」
翁長実希(#37:KeePer VITA / 決勝2位)
「スタートは路面が濡れていたので慎重にいきましたが、ちょっとホイールスピンしてしまいました。でも、前回同様に焦らず前だけ見ていこうと思っていきました。前に追いついてからは、相手を尊重しながらバトルしようと、無理はしない程度にいったのですが、マシンやタイヤを酷使してしまって、終盤は曲がり切れなかったり、止まり切れないところがありました。そこは今後の課題かなと思います。悔しいですけど、この順位が私の今の実力なので、しっかり受け止めて、まずは欠点を克服したいです」
荻原友美(#49:ありそ鮨し&バンツォVITA / 決勝3位)
「勝てるレースを、どこかで自分が落としたのかな……と思っています。(レースの)大半は私がコントロールラインを1位で通過していたのですが、レース中のどこかで落としてしまったバトルが、この結果になってしまったのだと思います。今までバトルには自信を持っていましたが、その精度をもう一歩上げないと勝てないんだということが分かりました。しっかりデータを解析して、次に繋げたいなと思います」