KYOJO CUP

KYOJO CUP第4戦レースレポート

2019KYOJO-CUP第4戦が11月17日(日)に富士スピードウェイで行われ、#36 村松日向子(KNCVita)が初優勝を飾るとともに、2019シーズンのシリーズチャンピオンに輝いた。

今回は10台がエントリー。第2戦以来の参戦となった池島実紅は#31 m dentアキランドVITAから、RINA ITOは通常とは異なり#610 恒志堂レーシングVITAから最終戦に臨むことになった。また#46 大西恵理(AQMVITA)は初めてのKYOJO-CUP参戦となった。

<公式予選>

公式予選のセッション序盤から速さを見せたのが池島だった。計測2周目に2分00秒251を叩き出しトップに立つと、途中に一度ピットに戻ってタイヤの空気圧等を調整。再びコースインしタイムアタックを行った。「今週末は安定している」と自身でも手応えがあったようで、残り10分を切るとさらにタイムを更新。2分00秒101までタイムを伸ばした。これに対し第2戦、第3戦でポールポジションを獲得している村松や第2戦ウィナーの#37 翁長実希(KeePer VITA)はコースインのタイミングを周りとずらすなど、セッション後半にターゲットを絞ってタイムアタックを行った。しかしトップタイムには届かずセッション終了。池島が自身初のポールポジションを獲得した。

2番手には#87 山本龍(おさきにどうぞ☆VITA)、3番手に村松、4番手に翁長が続いた。終わってみれば、今回も上位は接戦となり、トップから5番手の#49 荻原友美(ありそ鮨し&バンツォVITA)が1秒以内にひしめく結果となった。

池島実紅(#31:m dentアキランドVITA / 予選ポールポジション)
「KYOJO-CUPではずっと苦戦していて、ちょっと苦手意識が出てきたところだったので、素直に嬉しいです。計測1周目から2分01秒台が出ていて、『いつも通りいけば良いタイムは出るな』と思って走っていました。そんなに焦ることもなかったです。でも、予選になる周りも譲りあったりだとか、コース上での位置どりとかも考えてやらなければいけない。その辺は自分もまだまだレベルが低いなと感じましたが、最後のアタックではクリアラップを取ることができました。今週末は安定して走れているので、決勝レースが楽しみです。(不安要素があるとすれば)私のスタートだけですね」

<第4戦決勝>

決勝レースは12時50分にスタート。池島が好ダッシュを決めてトップのままTGRコーナーを通過すると、3番手グリッドの村松が山本を抜いて2番手に浮上した。後方も集団になったまま、各コーナーでサイトバイサイドのバトルが展開されたが、ダンロップコーナーで翁長がオーバーラン。5番手に下がってしまった。

2周目に入るところで山本が村松の前に出るが、TGRコーナーで村松は抜き返し2番手を死守。そのままペースを上げて池島との間合いを詰めていった。なんとかトップを守って自身初優勝を飾りたかった池島だが2周目パナソニックコーナーで痛恨のスピンを喫してしまい、9番手まで後退。これで村松がトップに浮上した。

3周目に入ると2番手争いが白熱山本に対し荻原がTGRコーナーのイン側から飛び込もうとするが、ここは順位が変わらず。その後も2台はバトルを続けたが、ADVANコーナーで山本がスピンを喫しポジションを大きく落とした。これで荻原が2番手に浮上したが、1周目のコースオフから挽回してきた翁長が背後に接近。4周目のTGRコーナーでオーバーテイクに成功し、翁長が2番手に浮上した。一方の荻原は#48 星七麻衣(ワコーズ ED ニルズVITA)にも抜かれ4番手に後退した。
2番手以降が接近戦のバトルを繰り広げている間に、トップの村松は順調にリードを広げ、4周目には2分00秒980のファステストラップを記録。5周が終了した時点で後続との差を5.2秒にまで広げた。

序盤にスピンを喫し大きく後退した池島は遅れを取り戻すべく、次々と前のマシンを抜いてレース中盤には5番手まで浮上。その後もペースを上げて荻原の背後に接近。チャンスを伺ったが7周目のパナソニックコーナーで接触してしまい、2台はスピンを喫した。池島はそのままピットに戻りリタイア。一方の荻原はすぐに再スタートを切るも6番手に後退。今回はランキング首位で最終戦に臨んでいたが、チャンピオン獲得の可能性が遠のいていった。なお、この件については池島の危険行為という裁定が下り、レース後に彼女に対して40秒加算のペナルティが出された。

結局、レース中盤以降は誰も寄せ付けない力強い走りをみせた村松がトップチェッカーを受け、参戦3戦目にして悲願のKYOJO-CUP初優勝を飾った。2位には翁長、3位には星七が続いた。

シリーズランキングでは優勝の30ポイント(最終戦は通常の1.5倍が与えられる)に加えファステストラップのボーナス1ポイントを稼いだ村松が、翁長を1ポイント逆転し2019シーズンの年間女王に輝いた。

村松日向子(#36:KNCVita / 決勝優勝、シリーズチャンピオン)

「まずはKYOJO CUPで初優勝できたことがとても嬉しいです。正直、レースが終わった直後はチャンピオンになったという実感が湧かなかったんですが、シリーズ表彰を終えてメディアの皆さんにコメントしているうちに実感が少しずつ湧いてきました。スタートで2番手に上がって池島選手を追いかけましたが、まだレース序盤だったので焦らずにいこうと思っていました。トップに立ってからは自分の走りに集中することを心がけました。今まではけっこうバックミラーで後ろを見すぎてしまうことが多かったのですが、今回はミラーを見る場所をあらかじめ決めて、それ以外では前だけに集中して走っていました。自分が出来ることは全て出し尽くせたので、まずはそこに満足しています」

翁長実希(#37:KeePer VITA / 決勝2位)

「今週はチャンピオンを獲るという意気込みでサーキット入りしましたが、調子がすごく悪くて、全体的な流れも良くありませんでした。(決勝レースでは)1周目のダンロップコーナーではブレーキを踏んだつもりがアクセルを踏んでしまっていて、それで止まり切れずにコースオフしてしまいました。大きなロスなくコースに戻れましたが、振り返ってみるとスタートが良くなかったのが、大きく響きました。(2番手に浮上して以降は)自分との戦いでした。ブレーキングのたびに攻めるか守るかというギリギリの状態でした。正直、一歩間違えばミスを招くような精神状況だったので、攻めてはいるんですけど少しでも丁寧にというのを心がけていました。今週は自分とクルマを完璧にすることができなかったです。いつも一緒にレースをして切磋琢磨している相手である村松選手と1-2を取れたことは素直に嬉しかったですが、その中で自分が2位だったというのは悔しいです」

星七麻衣(#48:ワコーズ EDニルズ VITA / 決勝3位)

「最初からずっとバトルをしている状態でしたが、(村松選手が)逃げていってしまうのは見えていたので、頑張って食らいついていきました。レース終盤はシフトのこととかが気になり始めてしまって、安全マージンを取りすぎて走ってしまいました。その結果、前との距離が縮まらず、翁長選手には届かなかったです。もうちょっと頑張れていれば2位には届いたかもしれないので、悔しい気持ちはありますが、最後にこうして表彰台を獲得できたのは良かったです。今年は優勝もできましたが、逆に“失格”ということも経験して、色々あったシーズンでした。今までは入賞が精一杯でしたが、今年は表彰台に届くところまで来られました。今年は嬉しいことや悔しいことをたくさん経験できて、中身の濃いシーズンでした。来年も頑張ります」