KYOJO CUP参戦3年目にして
エキシビションで念願の表彰台へ

4歳からカートを始め、レース歴はすでに20年。金本きれい選手(以下、きれい選手)は幼少期から全日本ジュニアカート選手権で腕を磨き、2016年のSL全国大会レディースクラスで優勝、全日本カート選手権FS-125/X30でシリーズランキング3位など、華々しい活躍をみせてきた。2021年より参戦中のKYOJO CUPでも、タイトル獲得が期待されている。
「VITAを始めたとき、カート上がりはイケるよ!と言われてトライしてきたんですが、この3年なかなか結果が出せなくて。カートでは結果を残しながらステップアップしてきただけに、VITAは向いていないのかな、と考えることもありました。チームをたびたび変更したんで、自分が環境を変えてしまうのも一つの要因だったかなと思います。」
とは言いながら、きれい選手は毎戦、第一集団や第二集団でバトルを繰り広げ、アグレッシブな走りでレースを盛り上げている。2024年11月、スーパー耐久シリーズと併催されたKYOJO CUPエキシビションレースでは、翁長実希選手、富下李央菜選手との三つ巴で手に汗握るバトルを展開。接戦の中、きれい選手は初日にトップチェッカーを、2日目は2位でフィニッシュを決め、観客を沸かせた。
「去年はチームのマシンであまり練習ができなかったり、シーズン途中でマシンが変わったり、それに合わせきれない自分にジレンマを感じたりと、課題があった一年でした。エキシビションではシーズンと違う車両に乗らせていただいて前日からペースも良く、セットもばっちり合わせられて、予選のタイムも好感触で。メンバーを見てバトルは激しくなるだろうと思いましたが、結果的に理想のレースができました。VITAでは表彰台に上がったことがなかったので、良い経験になりましたし、ちょっと上の景色が見えたことで気持ちが変わりましたね。」
だが、きれい選手はこのくらいでは満足しない。目指すのは、さらなる高みだ。
フォーミュラにチャレンジしつつ
2025年もVITAに乗る理由とは

2025年はKYOJO CUPのフォーミュラ元年。きれい選手も、新たなマシンで勝負に挑む。
「カート歴が長いので、フォーミュラはできるんじゃないかという期待を周りからすごく感じています。走行練習で乗ってみたら、確かにVITAとは全然感触が違って。私自身、VITAでのマニュアル操作に苦戦してきたところがあるので、フォーミュラのパドルシフトの方が走りに集中しやすいというか、修正がすごくしやすいですね。タイムアップするのは、今までよりやりやすいかなと感じています。」
同時に、きれい選手はKYOJO VITAクラスにもエントリーした。
「今年もVITAに乗る理由の一つとして、割と良いところにいながら結果を残せずにきたので、しっかり結果を残してからステップアップしたいという思いがあります。VITAでしたいレースがやっとできたのがエキシビションだったので、シーズンを通してそれができたら。チームはエキシビションで乗らせていただいたFinal Rap Racingで、そこから新たなカテゴリーの耐久レースシリーズ『MEC120』も参戦予定です。」
3月、きれい選手はKYOJO VITAの開幕戦となる2025 FCR-VITAレースに参戦。総合では5位だったもののKYOJOクラスでは2位を獲得し、幸先の良いスタートとなった。
自分の中の伸びしろは無限大
去年とは違う景色と出会いたい

「VITAは今年は勝ちを狙って考えていますが、フォーミュラは走ってみないことにはわからないので、毎戦探り探りで結果を出していくことになると思います。タイプの異なる車両に乗るので、混乱しないかと不安視されることもありますが、全く感覚が違うのでそこは大丈夫かなと。たとえばVITAはバネを介して車体が沈むとかすごいわかるんですけど、フォーミュラはハンドルと自分の背中で感じるといった感覚です。まだスリックタイヤの使い方に慣れていないので、早く吸収したいです。」
フォーミュラでのKYOJO CUPとKYOJO VITAクラスでは、今シーズン同日開催が2大会控えている。きれい選手にとって忙しい一年になりそうだ。
「体力面は心配していないんですが、メンタルがあまり好調じゃないときの切り替えが課題になってくるかと思います。フォーミュラは走行練習で思ったよりタイムが出せたので、レベルの高い選手とバトルで競えるようにしなければというのはあります。自分の中の伸びしろはまだまだ無限なので、活躍できるよう頑張ります!」