RACE REPORT
参戦全ドライバーが集まる最初のテストは下野璃央が総合トップに
【Session 1】
気温2度、青空が広がる快晴のなか開始された9時30分からのセッション1でトップタイムを記録したのは、昨シーズンFIA F4にフル参戦しフォーミュラマシンのドライブ経験がある下野。セッション開始から5分が経過したところで1分49秒807をマークしてトップに立つと、その後1分44秒889までタイムを削り、最終的にこれがセッショントップタイムとなった。2番手は#8 佐々木藍咲(Kids com Team KCMG)。最終的に下野に約2秒差の1分47秒212までタイムを削ってみせた。セッションは残り時間10分のタイミングで#32 金本きれい(ミハラレーシング)が車両トラブルによりコカ・コーラコーナー先でストップし、赤旗中断となる。残り4分で走行が再開されると、下野を先頭にほぼ全車がコースイン。この時点では下野、佐々木、#53 池島実紅(TGM Grand Prix)というトップ3だったが、#38 佐藤こころ(CERUMO・INGING)が最終ラップで1分47秒600を記録し、池島を上回り3番手に浮上してチェッカーを受けた。
【Session 2】
10時50分から行われたセッション2でも、下野が計測1周目からトップタイムをマーク。2番手に佐々木、3番手に佐藤とセッション1のトップ3が今回も上位に並ぶ形で序盤が進んでいく。ただ佐藤はその後、佐々木のタイムを上回り2番手に浮上する。佐々木は#46 永井歩夢(DOJO Racing)にもタイムをかわされ一時4番手に下がったものの、セッション折り返しを迎えたあたりでベストタイムを塗り替え再び3番手を奪取。最終的にはセッション1の自己ベストタイムを上回る1分45秒534を記録した。下野は一度もタイミングモニターのトップを譲ることなく、このセッションも制することに。最終ラップで1分44秒214を記録し、セッション1の自己ベストから約0.6秒タイムを削ってみせた。2番手の佐藤も同様に最終ラップで自己ベストを更新。順位、タイムともにセッション1を上回る形で午前中の走行を終えることになった。
【Session 3】
午後になると、午前のセッションよりもやや気温が上昇。上空は少し雲が増えたものの、相変わらず晴天のなかでセッション3が14時10分から行われた。このセッションも終始下野がリード。佐藤と佐々木が続く構図は変わらないが、お互いに自己ベストタイムを更新し、そのたびに2番手が目まぐるしく変わっていった。開始から約10分が経過したところで、池島がタイムを更新して3番手に浮上。その後、永井、佐々木が池島のタイムを上回り2番手、3番手に上がる。残り時間5分を切ると#12 細川由衣花(CSA racing)がコースイン。マシントラブルによりセッション2を走行できなかった#32 金本きれい(ミハラレーシング)、#33 岩岡(FUKUDA racing)もここから走行を再開し、この日初めて、コース上に全車両が揃う形となった。結局、開始11分で下野が出した1分45秒208がこのセッションのトップタイムに。最終ラップで自己ベストを更新した佐藤が2番手、3番手には永井が続くトップ3となった。

【Session 4】
夕方に近づくにつれ、さらに上空に雲が増えてきた富士スピードウェイ。それでも天候が崩れるような気配はなく、引き続きドライコンディションでこの日の最後のセッションが始まった。初日最後の走行枠かつ、多くのドライバーがマシンの操作に慣れてきたこともあってか、このセッションは様々なドライバーがタイミングモニターの上位に上がってくる展開となった。一方、ここまでのセッションすべてでトップタイムをマークしていた下野は、マシントラブルによりセッション終盤のコースインに。1分45秒512を記録して一時モニターの最上位に着けたが、翁長が最終アタックで1分45秒205をマークしてこれを上回り、初日最終セッションで初のトップを飾ることとなった。 3番手に入ったのは永井。1分45秒104を記録して、このセッションで好走を見せた佐々木、佐藤、池島、#1 斎藤愛未(TOM'Sら)を抑え、下野に続く結果となった。
【Session 5】
第1回合同テストの2日目最初の走行枠となるセッション5は、気温4度と相変わらずの寒さ。薄く雲が広がる晴天のなか、9時30分から走行が開始された。開始とともに各車両が一斉にコースインすると、佐々木が1分48秒404を記録してこの日最初のトップタイムをマーク。2番手に翁長、3番手に池島が続いた。前日は4本中3本のセッションでトップタイムをマークしていた下野は、セッション4に発生したトラブルの影響で、序盤に1周の計測を行うと早々にピットに戻ってしまった。セッションの折り返しを目前に控えたタイミングで、#57 チョウ・ウンチン (Buzz Racing)がスピン。コースサイドのバリアにヒットし、止まってしまう。これにより赤旗が提示され、セッションは一時中断となった。残り8分を切ったところで 走行再開。この時点では翁長、佐々木、佐藤がトップ3につけていたが、ここから下野がトップタイムを更新。最終ラップで1分45秒151を記録し、2日目最初のセッションもタイミングモニターの最上段をキープした。同様に、最終ラップに1分45秒443で記録を更新した永井が2番手に。セッション4から好走を見せている翁長は1分45秒540で3番手となった。
【Session 6】
10時50分から行われたセッション6でも、下野が最初のアタックで1分45秒877のトップタイムを記録。このセッションでもモニター最上段をキープし続け、最終的に1分44秒417までタイムを縮めて走行を終えた。2番手以下は、昨日の前半で好走を見せていた佐々木や佐藤を筆頭に各車続々とベストタイムを更新し、目まぐるしく順位が変動していく。セッション後半に入ると、佐々木が1分45秒004、佐藤が1分45秒231を記録。それぞれセッション5の自己ベストタイムを更新して2番手、3番手につけた。残り7分のところで#87 山本龍(Autolook Racing Factory)がスピンを喫し、アドバンコーナーで停止したため赤旗中断。その後、残り2分で走行再開となったが、下野、佐々木、佐藤のトップ3は変わらずに午前のセッションが終了となった。
【Session 7】
14時10分、午前よりも上空の雲が増えつつある晴天のなか、セッション7が開始。このセッションでは車両確認のため、#4 平川真子(docomo business ROOKIE)に坪井翔が乗車。最終的に1分45秒365を記録し、2番手タイムで走行を終えている。また、セッション5でクラッシュを喫してしまったチョウも車両の修復が終わり、このセッションから走行を再開した。セッション開始10分過ぎ、それまで2分台後半で周回を重ねていた下野が1分46秒079を記録してトップに浮上。2番手以下は佐々木、翁長、佐藤、永井が次々にベストタイムを更新し、タイミングモニターの順位が目まぐるしく入れ替わる展開となった。後半に入ると、1分45秒999を記録して3番手につけていた翁長がベストタイムを更新。最終的に1分45秒459までタイムを縮めた。終盤、GRスープラコーナーでスピンを喫した佐々木がコース上で停止したことで赤旗が提示され、このままセッション終了となった。トップは赤旗提示直前に1分45秒107を記録した下野。以降は坪井、翁長が続く結果となった。
【Session 8】
上空に分厚い雲が広がりはじめた曇天のなか、今テストの最終走行となるセッション8が15時30分に開始。今回のセッションでも車両確認のため、池島の車両に坪井が乗車した。1周目の計測ラップでは坪井がトップタイムを記録するが、翌周に翁長が1分45秒694でトップ塗り替え。さらに佐々木も坪井のタイムを上回り、2番手に続いた。セッション開始7分後、下野が1分44秒606を記録して翁長を上回ると、その後各車両は順調に周回を重ねていった。終盤に入ると、佐々木が1分45秒012を記録して2番手に浮上。さらに下野が1分44秒527をたたき出し、このセッションのベストタイムを更新した。下野、佐々木のタイムを上回るドライバーは最後まで現れず、またしても下野がトップで第1回目の合同テストは幕を閉じた。下野は、1日目午後のセッション4を除くすべてのセッションでトップタイムを記録し、第1回合同テストの総合トップに輝いた。
Driver’sVoice
第1回合同テスト総合トップ#86 下野璃央(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL with Dr.DRY)
「第1回目のテストで総合トップを獲得できて、とりあえず良かったです。ただ、まわりもタイムを上げてきているので全然油断できないですし、私もまだ上げていける部分があると思うので、今後も逃げ続けられるように頑張ります。次回のテストでも『全セッションでトップタイムを獲る』というところが目標です。タイムも43秒台に入れていきたいのですが、その時々のコンディションでベストを出せたらいいなと思います」