RACE REPORT

開幕前最後のテストではスタート練習も実施
最終セッショントップの永井歩夢が総合でもトップタイムに


2025年のKYOJO CUP第3回合同テストが4月2日(水)、3日(木)の2日間にわたり富士スピードウェイで開催された。第2回に続き天候に恵まれなかった2日間だが、開幕前に走行できる最後の機会とあって、今シーズンKYOJO CUPに参戦するドライバー20名は、精力的に周回。最終セッションではスタート練習も行った。2日間の総合トップは、路面状況が回復してきた2日目最終セッションで1分51秒288をマークした#46 永井歩夢(DOJO racing)となった。なお、3回の合同テスト全てを合わせての総合トップは#86 下野璃央(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL with Dr.DRY)。コンディションに恵まれた第1回テストの際に記録した1分44秒214が最速タイムとなっている。


【Day 1】
朝からどんよりとした曇り空となった1日目。午前9:20からのSession1は前夜に降った雨が残っていたことからウェットコンディションで始まった。ここでは最多の16周回を走行した下野。1分52秒466をマークして、KYOJO CUPテストではなじみとなったタイミングモニター最上段に着けた。2番手には0.017秒差で#39 富下李央菜(CERUMO・INGING)が入り、#37 ハナ・バートン(TOM'S)が3番手に並んだ。

10時40分からのSession2は太陽も顔を出し、徐々に路面コンディションも回復。ドライタイヤを装着して1分46秒台までタイムが更新された。このセッションは昨シーズンのチャンピオン#1 斎藤愛未(TOM'S)がトップタイムを奪取。富下が2位、下野が3位に続いた。


昼のインターバルを挟み、Session3は14時20分にスタート。ここでは斎藤が1コーナーでコースオフし車両を止めてしまったことから赤旗中断を挟んでのセッションになった。トップタイムは下野。1分45秒257をマークした。2番手の翁長は、Session1が始まる直前に車両内の消火器が作動してしまうアクシデントに見舞われ走行を見合わせていたが、Session2の途中からコースイン。コンディションに合わせてペースを上げ、下野に対し0.263秒差に着けた。3番手には1分45秒578で佐藤が入った。

この日最終セッションとなるSession4は15時50分から16時20分までの30分間。雨が降り出したためウェットコンディションでの走行となった。#8 佐々木藍咲と翁長のKids com Team KCMG勢を僅差でおさえてトップタイムをマークしたのは、#32 金本きれい(ミハラレーシング)。第1回合同テストから数えて初めてのセッショントップをマークし、初日の走行を終えることになった。


【Day 2】
合同テスト最終日となる3日(木)も朝からぐずついた空模様。前日は途中で日差しも降り注ぎドライコンディションで走れるセッションもあったが、この日は終日雨模様で、すべてウェットコンディションとなった。

9時30分からのSession5は、1分53秒528で下野がトップタイム。2番手は翁長、3番手に佐藤と続いた。この日は雨だけでなく、時間帯によっては霧も発生したため視界確保が難しいタイミングも。それでもそれぞれのドライバーは積極的に周回を重ね、10時50分からのSession6では17周の最多周回数を走破した下野が1分52秒520でトップタイムを奪取。斎藤、翁長と続いた。


昼のインターバルを挟んでのSession7も下野がトップタイムをマークし、翁長、佐々木が2番手と3番手に並ぶ形に。Session8は、5月の開幕戦に向けてスタート練習を行った。

スタート操作は路面状況やタイヤ、車両の状況に応じてタイミングなどを微調整しなければならず、レースを戦ううえでも重要かつ難しい部分。各車がコースインしていき、ホームストレートで4台ずつグリッドに整列してからスタートという方式で繰り返し練習を行い、スタートするにあたっての車両の操作を身に着けていった。
なお、各車3回のスタート練習を行った後はセッション終了まで走行時間が設けられた。コース上の水量が減ったか、このセッションで永井がマークした1分51秒288がこの日の総合トップタイムに。バートン、#87 山本龍(Autolook Racing Factory)と続いた。

2日間の総合トップは下野。「セッションによっていろんな人がポンと速くなって迫って来たり、逆に次のセッションではいまいちだったりするので、それほど一気に(誰かに)迫られたなという印象はありません。開幕戦は圧倒的に勝ちたいですね。ノートラブル、ノーミスで、練習からずっと1位でレースも1位で終えたいです」と開幕戦に向けた意気込みを語った。以下、翁長、佐藤、富下、#17 白石いつも(AIWIN Re-Kobe)、佐々木というトップ6に。これで開幕前の合同テストはすべて終了し、いよいよ5月の開幕大会を迎えることとなる。


Driver’sVoice
第3回合同テスト総合トップ
#46 永井歩夢(DOJO racing)
「今日はドライコンディションで走れたのは2セッションだけで、あとはずっとウェットコンディションでした。前回の、第2回のテストもウェットコンディションだったので、それはだいぶ走りこめたと思いますが、ドライコンディションに関してはまだ分からないところもたくさんあり、ちゃんと走れてはいないなと感じています。お天気に恵まれてほしかったなというのが本音としてはありつつ、でも全部しっかり走れて良かったです。ここから開幕に向けて、継続してフィジカルトレーニングをして体を作っていきながら、テストでのデータを見比べて自分のウィークポイントを探して少しでも潰していけるようにしたいです。開幕戦は、完走は絶対。単独走行にならないよう、ミスせず周囲と争えるようなところで走りたいですね」